宗想庵はご本尊として、とても珍しい
四臂(しひ)の十一面観音(じゅういちめんかんのん)様
を、おまつりしております。

■ 梵名
エーカダシャムカ (एकदशमुख [ekadaśa mukha])
(11の顔を意味しています。)

■ 観音菩薩の変化身
六観音の一尊でもあり、
(六観音:地獄道:聖観音、餓鬼道:千手観音、畜生道:馬頭観音、修羅道:十一面観音、人間道:准胝観音(真言宗)もしくは不空羂索観音(天台宗)、天道:如意輪観音)
不動明王様の本地(ほんじ)と言われております。
(本地:本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)と言う考え方で、日本の八百万の神々は様々な仏様の化身として現れた権現(ごんげん)様である。とする考えです。)

■ 像容
玄奘訳の「十一面神咒心経」に記載があります。
頭上に11の顔(本体とは別に)を持ち、前後左右の10面は菩薩修行の階位である十地を表し、最上部の仏面は仏果を表すとされています。
これは衆生の十一品類の無明煩悩を断ち、仏果を開かしめる功徳を表すとされる。また「救わで止まんじ」の誓願を持たれている。六観音としては、阿修羅道の衆生を摂化する。

■ 曼荼羅での位置
胎蔵現図曼荼羅
(大日如来の慈悲が放射状に伝わり、教えが実践されていくさまを表している曼荼羅)
の蘇悉地院(そしつじいん)
(虚空蔵院のはたらきを利他の実践によってさらに成就させる諸尊が座し、悟りの境地に達することを意味している)
の正面に向かって左の真ん中から四番目に住していらっしゃいます。

■ 十一面観音と功徳の由来
密教経典(金剛乗経典)である十一面観自在菩薩心密言念誦儀軌経(不空訳)、仏説十一面観世音神咒経、十一面神咒心経(玄奘訳)に説かれている。

■ 十一面観音の功徳
慈愛で衆生を成就に導くことを本誓とされ、深い慈悲によって一切の苦しみを取り去る功徳がるとされている。

■ 十種勝利(現世での利益)
・離諸疾病(病気にかからない)
・一切如來攝受(全ての如来に受け入れられる)
・任運獲得金銀財寶諸穀麥等(金銀財宝や食物などに不自由しない)
・一切怨敵不能沮壞(一切の怨敵から害を受けない)
・國王王子在於王宮先言慰問(国王や王子が王宮で慰労してくれる)
・不被毒藥蠱毒。寒熱等病皆不著身(毒薬や虫の毒に当たらない。悪寒や発熱の症状が酷くならない)
・一切刀杖所不能害(一切の凶器によって害を受けない)
・水不能溺(溺死しない)
・火不能燒(焼死しない)
・不非命中夭(不慮の事故で死なない)

■ 四種功德(来世での果報)
・臨命終時得見如來(臨終の際に如来に会うことができる)
・不生於惡趣(地獄道や餓鬼道や畜生道に生まれ変わらない)
・不非命終(早死にしない)
・從此世界得生極樂國土(今生の後に極楽浄土に生まれ変われる)

■ 時代の仏様
トランスジェンダーの守仏

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